AI Teading - Teens自分の手でためすAI

3部 · 自分で学ぶAI

3.2

ニューラルネットの中を開けてみる

重みがどこについているかを開けてみます。そして世界を20年止めた問題に じかに会ってみましょう。

P7 ニューロンあそび場

ニューラルネットの中を開けてみる

3.1 でわたしたちは重みを3,075こ合わせました。ところがその重みが どこに ついているのかは見ませんでしたね。

いま開けてみます。思っているよりずっと単じゅんです。

小さな計算機ひとつ

数をいくつか受け取って、それぞれに重みをかけて、ぜんぶたして、答えをひとつ出す。それだけの小さな計算機があります。

この計算機ひとつを と呼びます。

そしてこのニューロンをいくつもつくって 層ごとにつないだもの を といいます。

重みは そのつなぎ目ごとにひとつずつついています。3.1 の3,075こは ほとんどがつなぎ目についていたのです。

ニューロンひとつは、かけて、たして、数をひとつ出します。それを層にしてつないだものがニューラルネットで、つなぎ目ごとに重みがついています。

実習 P7

点を左右に分けて打って 学習をはじめる を押してみましょう。

まっすぐな線が自分で動いて 場所を見つけましたね。

右の絵を見てください。線が太いものも細いものもあります。あの太さが重みです。 太いほど その信号を大事に見ているということです。1.2 で学んだあの値です。

1.2 で手で回していたものが ここにこうしてついています。この実習には二つしかなく、3.1 では3,075こで、本物のAIには何百万こもあります。

ニューロンひとつでは まっすぐな線ひとつ

ここで大事なことが出てきます。ニューロンひとつが引けるのは まっすぐな線ひとつだけです。

かけてたすだけだからです。その計算では まっすぐな線より入り組んだものを引くことができません。

いままではだいじょうぶでした。左がピンク、右が青緑なら まっすぐな線ひとつで分けられますから。

ところが こんなならびだったらどうでしょう。

ならびの例 · ななめ を押して もう一度学習させてみましょう。板は上にそのままあります。

まっすぐな線がずっとゆれていますね。900回以上回してもとけず、とうとう機械があきらめます。

まっすぐな線ひとつでは このならびを分けられないからです。 自分で引いてみてください。どう引いても かた方がまざります。

11年後に起きたこと

1.3 のカードに出てきたあの機械の名前が です。ニューロンひとつでできた、いちばん単じゅんなニューラルネットですね。

11年後、二人の研究者が いまわたしたちが味わったことを証明しました。パーセプトロンはまっすぐな線ひとつしか引けず、だから 世の中でいちばんやさしい問題のひとつであるこれがとけない と。

期待が大きかった分 失望も大きいものでした。お金も人もはなれていき、ニューラルネットの研究は20年近くこおりつきました。

ボタンひとつ

では その問題をといてみましょうか。

実習 P7

+ 層をふやす を押して もう一度学習させてみましょう。

とけますね。

さかいめの線がもう まっすぐではありません。曲がりました。ニューロンをもう一層入れたら まっすぐな線をいくつも組み合わせられるようになった のです。

いま押したそのボタンが、世界が押すのに20年かかったボタンです。

2.2 にもどります

2.2 の終わりで問いをひとつ 先おくりにしておきました。

フィルターの中の数は だれが決めるのでしょう。

もう答えられます。だれも決めません。学習が決めます。

フィルターの中の九つの数も重みです。はじめは何でもよい数が入っていて、まちがえるたびにすこしずつ直されます。そうしているうちに あるフィルターはたて線を見つけるようになり、あるフィルターはよこ線を見つけるようになります。だれもそうしなさいと言っていないのにです。

そうしてフィルターを何層も重ねたニューラルネットを と呼びます。2.2 で層ごとに開けてみた あれがこれです。

2.2 で見たものいま呼ぶ名前
小さな窓(フィルター)重み九つ
層を重ねると 線 → もよう → かたまりCNN
1層のフィルターが線を見つけていた学習がそうさせたもの

では 層をたくさん入れればよいのですね

層をふやしたらとけましたね。では層とニューロンをうんとたくさん入れれば 何でもとけるでしょうか。

それがそうはいかないのです。次のチャプターで 練習問題にくらべて重みが多すぎるとき に起きることを見ます。

このチャプターのよりどころ

  1. 8 "New Navy Device Learns By Doing", The New York Times (1958-07-08)
  2. 13 Minsky & Papert, Perceptrons (MIT Press, 1969)
  3. 29 Rumelhart, Hinton & Williams, "Learning representations by back-propagating errors", Nature 323 (1986)

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